問い合わせ対応の負担軽減やサイト内獲得率向上のためにチャットボットを導入する企業が増えています。営業時間に縛られることなく問い合わせに対応でき、オペレータの負担も軽減できるため、チャットボットの導入を検討する企業は少なくありません。
ただ、チャットボットの導入で気になるのがコストです。便利なツールほどコストが高そうというイメージがありますが、チャットボットのサービスのなかには無料で利用できるものも存在します。有料のサービスの方が機能が充実しているように思えますが、無料と有料でチャットボットにはどのような違いがあるのでしょうか。最適なサービスを選ぶためにも、無料と有料のチャットボット、それぞれのメリット・デメリットなどを確認しておきましょう。
目次
無料チャットボットのメリット・デメリット
無料で利用できるチャットボットにはどのようなメリットがあり、一方、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
無料チャットボットのメリット
無料チャットボットの最大のメリットは、文字通り無料で利用できることです。
チャットボットには、その仕組みの違いでルールベース(シナリオ)型とAI(FAQ)型の2種類に分けられます。前者のAI(FAQ)型は、あらかじめ作成したシナリオに沿った回答を自動で行うタイプで、定型的な質問が多い部門でよく用いられます。シナリオにない質問には答えられないのがデメリットです。
もう一つのAI(FAQ)型とは、AIがデータの蓄積から学習し、回答精度が使うほどに高くなるというタイプです。ルールベース型のチャットボットより複雑な質問にも回答可能ですが、AIの学習のために時間がかかるのがネックになります。正確な回答ができるように運用後も適宜チューニングを行う必要があるため、多少の手間もかかるでしょう。
このように、チャットボットにはルールベース(シナリオ)型とAI(FAQ)型で特徴が異なり、メリットとデメリットもそれぞれあるため、自社に最適なのはどちらのタイプなのかを事前にしっかり検討しなければなりません。その点、無料チャットボットであれば、コストの心配がないため、とりあえずどちらも使ってみて比較してから決めることができます。導入や運用のコストがかからず、気に入らなければいつでもやめられるのは大きなメリットでしょう。
無料チャットボットのデメリット
無料チャットボットのデメリットは、有料のものと比べると利用できる機能が限られる点です。コストがかからないからと導入したところ、自社のニーズを満たす機能がなかったために思ったほどの効果が得られなかったというケースも少なくありません。また、ベンダーからのサポートも期待できませんし、無料で提供されているツールの場合、いつサービスが停止するかわからないという不安もあります。
また、無料の場合、ユーザーにとって使い勝手が悪いこともあるでしょう。質問に答えてくれないチャットボットでは、疑問は解消されず顧客は不満を覚えるだけです。また、無料で提供されているものはセキュリティ体制も万全ではないことが考えられますから、下手なツールを選んでしまうと顧客とのやり取りを外部に流出させてしまうような深刻な事態も考えられます。
このように、いくら無料でも顧客満足度を下げるようなチャットボットを選んでしまったら、導入する意味がないどころか、企業にとって大きな損失にもつながるリスクがあります。チャットボットが自社の業務改善に役立つのかを試せるという意味では、無料で利用できるサービスはありがたいですが、無料だからこそそれに伴うリスクもあることは理解しておきましょう。
有料チャットボットのメリット・デメリット
無料チャットボットのメリットとデメリットを確認しましたが、では逆に、有料のサービスではどのような点がメリットとなり、また、デメリットとなるのでしょうか。
有料チャットボットのメリット
有料チャットボットの最大のメリットは、無料のサービスとは比較にならないほど機能が充実していることです。無料の場合、基本的な機能しか利用できないものが大半ですが、それでは導入できる場面が限られてしまいます。機能が豊富なほど汎用性が高いため、さまざまなシーンに対応できるでしょう。単なるFAQ代わりの自動応答システムではなく、顧客のニーズにしっかり応えられるだけの機能を求めるなら、有料チャットボットを選ぶべきです。
また、有料で提供されるサービスの場合、ベンダーからのサポートも期待できます。無料のものは単に提供されるだけというのが多いですが、有料チャットボットの場合、お金を取ってサービスを提供している以上、ベンダーも導入から運用後に至るまで責任を持ってサポートしてくれるところが多いです。導入の手間を考えて躊躇するという企業にとっては、最初から有料のサービスを選び、運用が軌道に乗るまでバックアップしてもらうのがよいのではないでしょうか。
また、有料チャットボットにはカスタマイズの自由度が高いものもあります。サイトに合わせてウインドウのサイズや位置、デザインなどを選ぶことができたり、挙動時の表示を調整できたりなど、ニーズに合わせてカスタマイズできるのは有料ならではの魅力です。
それに、セキュリティに関しても万全な対策を取っているところがほとんどです。やはり顧客と直接やり取りするためのツールですから、万一にも情報が漏洩するようなリスクがあるものは使えません。有料チャットボットを提供するベンダーのなかには、セキュリティ対策のガイドラインを提出してくれるところもあるので、自社の安全基準をしっかり満たしているかどうか確認してから選べるというメリットもあります。
また、無料のサービスと違って、サービスが突然終了してしまうようなリスクが少ないのも有料チャットボットが安心できる点でしょう。適宜バージョンアップを繰り返し、リソースをしっかり投入して有料サービスを提供しているベンダーなら、長期的に利用できる見込みは高いでしょう。
有料チャットボットのデメリット
多くの企業がチャットボットを提供しています。市場参入への障壁が低く、次々と新たな企業がこの分野に乗り出し、さまざまな機能を備えた新たなサービスを提供している状況と言えるでしょう。そのため、有料のチャットボットを選ぶにしても、各ベンダーごとにそれぞれ異なる機能を持つサービスを提供しているため、どれが最も自社に適しているのかを判断するのが難しいのが問題です。無料ならとりあえず使ってみて判断するということができますが、使い勝手を確かめるためだけに有料のサービスに予算を費やすことなど現実的ではないでしょう。公表されるスペックのみで判断しなければなりません。
また、スペックから判断して「これぞ」というサービスを選んだとしても、実際に運用しているうちに「自社にはどうも合わないのではないか」となることもあるはずです。また、サービス自体に文句はなくても、チャットボットを導入したいサイトの性格上、そこまで豊富な機能は必要ないという結論に達することもあるでしょう。そのようなとき、契約期間が決まっているサービスでは途中解約ができないという問題が発生します。解約は可能でも、多額の違約金が発生するという場合もあるでしょう。いずれにせよ、有料チャットボットの場合、かかるコストを考えると躊躇してしまいやすいデメリットがあります。
企業が導入すべきチャットボットは無料?有料?
有料と無料のチャットボット、それぞれにメリットとデメリットがあることがわかりましたが、では、結局のところ、企業が導入するならどちらを選べばよいのでしょうか。
基本は有料はおすすめ
企業のサイトに導入するなら、有料のサービスをおすすめします。かかるコストを考えると、無料の方が導入しやすいと思ってしまいますが、利用できる機能が限られていたり、自社サイトに合っていなかったりしては、チャットボットの効果を存分に活かせません。
チャットボットの導入には、それによって顧客からの問い合わせを自動化し、顧客には営業時間にとらわれない対応を提供するとともに、社内においては社員の負担を軽減するという大きな目的があります。無料のチャットボットでは、そのどちらの目的も十分に果たせない可能性が高いです。
多少コストはかかっても、顧客にとって優れた使い勝手をもたらすサービスの方が結果的には企業にとってもプラスになりますし、セキュリティ面でも安心です。
関連記事:
チャットボットの費用・料金相場について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
無料チャットボットを試してから有料チャットボットに切り替える
しかし、「有料チャットボットをいきなり導入して、もし自社のニーズにマッチしなかったら」と考えると躊躇してしまうのも当然です。まず、チャットボットそれ自体が自社サイトにおいてどのように機能するのか、最初から多くの機能は望まないがとりあえず確かめておきたいというのが多くの企業が望むことではないでしょうか。
その場合、まず無料のサービスを試してみて、チャットボットの使用感や運用方法を確かめ、問題がなければ有料のツールに切り替えるという方法はいかがでしょうか。多額の費用をかけたのに失敗に終わるというリスクが防げるため導入しやすいでしょう。
有料チャットボットの無料お試しを利用してみる
無料ツールで使い勝手を確かめ、それから有料ツールに切り替える方法はおすすめですが、この方法にも問題があります。お試しで使ったツールと有料で導入するツールの提供元が異なる場合、当然ながらその仕様やインターフェイス、各機能など諸々の点で違いがあるため、有料ツールに切り替えた時に「あれ?」となる可能性が高いからです。
それを避けるには、有料で提供されるチャットボットのなかから、無料で一定期間利用できるトライアルを提供しているものを選びましょう。コストをかけずに使用感や機能などを確かめたうえで、その納得した内容が有料に切り替え後も保証されます。
有料チャットボットの方が機能やサポート、セキュリティなどさまざまな面で優れているものですが、事前に確認せずにいきなり有料サービスを導入するのはリスクが高い行為です。ミスマッチを回避するためにも、チャットボットを選ぶときはぜひ無料で利用できるトライアルが用意されているものを選びましょう。
無料お試し可能!チャットツール「Zendesk Chat(ゼンデスクチャット)」
有料の優れたチャットツールのなかで、無料お試しが可能な「Zendesk Chat(ゼンデスクチャット)」がおすすめです。世界各国の企業が導入し、さまざまなニーズを満たすチャットツールとして定評があります。
Zendesk Chat(ゼンデスクチャット)の機能
Zendesk Chatでは、サイト訪問者の閲覧ページや会員情報などを把握しつつ、チャットサポートが可能です。また、あらかじめ条件を設定しておくと、自動でメッセージを送信できる機能もあります。対応時間や対応件数、コンバージョン、顧客の満足度などの高度な分析も可能です。また、チャット通知を部署やスキルによって振り分けることも可能で、複数プランでも利用できます。
さらに、LINEやTwitter、Messengerと複数のツールで受信メッセージを一元管理できます。30以上の言語に対応しているので、海外の顧客サポートにも力を発揮してくれるでしょう。
Zendesk Chat(ゼンデスクチャット)の料金プラン
Zendesk Chatには、「Team」、「Professional」、「Enterprise」のプランがあり、それぞれの料金は、12か月契約でエージェントごとに月額1,700円、3,500円、7,100円です。
Zendesk Chatには14日間の無料トライアルがあり、この期間中は「Enterprise」のほぼ全機能が利用できます。最大5エージェントまでお試しできるので、ぜひトライアル期間で最適なプランを判断してください。
日本語サポート・運用代行対応
Zendesk Chatは日本語サポートにも対応しています。
また、運用体制や知識、ノウハウの面で心配がある企業にはZendeskの正規代理店であるZeQが運用代行サービスを提供しています。チャットツールの導入が初めての場合や運用体制を社内に構築することが難しい場合、チャットツールの導入に関して不安なある場合などは、ぜひZeQにご相談ください。
チャットボットは無料お試しを賢く利用して選びましょう
チャットボットには無料のものも有料のものもありますが、企業が導入するのであれば機能やサポートが充実している有料サービスがおすすめです。なかでも、Zendesk Chatのようにトライアルを用意しているところなら、コストをかけずに有料機能を試すことができるため、実際の使い勝手などを判断するのに適しています。チャットボット導入の際は、無料お試しを上手に活用して最適なサービスを選びましょう。